プロセスエコノミーを見て思うこと
クリエイターエコノミーの話題の次に、プロセスエコノミーの話題である。「プロセスエコノミー」という単語自体、ナチュラルに使っているが、実は起業家の“けんすう”こと古川健介さんが名づけた言葉とも聞く。
プロセスエコノミーとは、完成形を提供するのではなく、完成まで至った「過程」をビジネスにするものである。
けんすうさんの作業中×ライブ配信 - 00:00 Studio というサービスはわかりやすいサービスの一つでクリエイター(主に漫画家)が漫画を書いている様子を見て、ギフティングがなされたりしているのである(他のマネタイズ方法はあるのかな?わからないけどおそらく何か頑張っている人に対する「差し入れ」のような感覚でユーザーが課金しているように思える。クリエイターの単価が低いと言われてるし、クリエイターにとって様々な稼ぎ方ができるとコンテンツに還元されるので、個人的には非常に好ましい循環だと思っているし、そういった循環をいろいろなところで支援したいと思っている)。
集英社も漫画を作って競争させるようなコンテンツをYoutubeで始めているようだ。NiziUみたいだな?!
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個人的に非常に共感できるものであり、「そういう切り口で名前をつけるのか」とハッとさせられるのであるが、好きな漫画や映画の創作秘話や撮影現場の映像や記事があれば、気になって読んでしまう人もいる通り、あのワクワクをマネタイズしようとしているのである。
最近では個人の消費がタコツボ化していると言われており、かつ、D2Cのようなエッジを効かせた観点をもって、ストーリーを伝えて、モノを届ける流れがある通り、ストーリーそのものが個人の興味関心を増大させるし、さらにその完成形に対する熱量を増やす効用があるように思う。
巷でD2Cビジネスが流行っているその動きのプロセスの部分を切り取って、さらにマネタイズを乗っけたようなイメージ。
プロダクトがあって、そのプロダクトが完成するまでのプロセスそのものには既存のファンとして熱量は帯びるし、ポテンシャルのファンについては、そのプロセスを知ることで関心が高くなって、プロダクトを購入することもあるだろう。
ファンクラブに加入していれば、「舞台裏の○○の努力」という特集が組まれて動画が配信されることもあると思うが、あれも広義にはプロセスエコノミーと呼べそうではある。
個人的に関心を持ったのはプロセスエコノミーという単語が、筆者の周りで聞こえてきたりするが、実は、そのエコノミー自体は、よく見れば、通常のプロダクトにも潜んで、かつ、コンテンツとして提供されているものが多いが、あえて、「エコノミー」をつけることで、ファンが楽しめる、というような曖昧な表現より具体的に資本やLTVに結びつけて意識することで、一つのプロダクトあたりのAPRUがあがるような、そんな流れのような気がしている。プロセスを楽しむ層を見るとファンビジネスを違う切り口でみたような表現でもあるように思える。
ここまでつらつら書いてて思ったのが、サブスクリプション然り、プロセスエコノミー然り、資本主義が進むという表現が正しいのかわからないがより小さい単価のお金×少領域のコンテンツがチリも積もって資本を創出する、そんな大きな流れが来ているような気もする。どの切り口でもビジネスで捉え、お金が結びついていく、消費者としても販売者としてもwin-winであるように思えるし、鳥の目で見れば、人間社会の全ての行為が切り刻まれ、資本と結びつかせられているような、そんな動きにも見える(それ自体に良い/悪いは無いし、日本のようなエンターテイメントがある程度楽しめるような経済力がないとそこまでの細分化は進まないような気がするがどうだろう)。